M・ナイト・シャマランの映画『ハプニング』を観た。
M・ナイト・シャマランの映画『ハプニング』を観た。ネタバレ過積載のエントリーをアップしたい気持ちはあるのだが、サウナ部屋からそんな高度な配信は体力的に無理だ。暑くて、人生が嫌になる。暑さというよりは、蒸すの方向が重点的に体力を奪うのだろうが、高湿度でも涼しければ、心地よい高湿度なのかもしれない。
本当にサウナ部屋で、人生が嫌になる。死んでしまいたい。ともかく、やっぱり、この映画の感想ぐらいしか書く話題が無いので、これをこのエントリーで書く以外に選択肢がないような気がする。
M・ナイト・シャマラン監督の映画は初期の作品を大方観ていないが、『サイン』以降は観ているし、『サイン』を代表作だと思っている鑑賞者が私だ。『レディ・イン・ザ・ウォーター』は、ポストモダン文学的で、何というか物語とその書き手的な雰囲気があった。物語についての物語的な意味合いが濃いというか、濃いというより現代的でクールな印象が強いが、まあそんな映画だった。『ヴィレッジ』は、ヒッピーコミューンというのは物語の中盤から明かされる訳だが、田舎の閉鎖的な村社会が描かれた映画で、現代にしては牧歌的すぎる村と村社会の親世代が実権を握り、若者には力を発揮する余地の無い社会がテーマのように思う。
『サイン』は、陰謀論やパラノイヤや妄想性障害をテーマとしている映画で、宇宙人が出てくるが、実際に目視されるのは手だけ、そんな映画。で、今回の『ハプニング』は、結婚した男女の愛の物語。ここで、劇場に足を運ぶ客層について自分なりにイメージしてみた。とは言っても、男女のカップルで観るような内容の映画ではないのではなかろうか?鑑賞後にこの映画を観て、映画と重ね合わせて、自分たちだけの愛の世界を切なく楽しもうと思っても、切なさというのは感情的に弱いので成り立たないのではなかろうか?
主役の中の人は、現在37歳だったと思う。マーキー・マーク&ザ・ファンキー・バンチの人で、91年前後に大ヒットしたグループ。グループというより、ソロの傾向が強く、脇に大勢引き連れているだけで、実際はダンス担当とかいう、90年代に日本でも流行ったパターン。代表曲はグット・バイブレーションズで、元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのルー・リードのヒット曲のカヴァー曲ワイルドサイドでも、当時チャート上位に長くいた。そして、私が好きな女優のZooey Deschanelたんは、確か現在28歳。日本人でもよくいるタイプだと思うが、甘えているのか小生意気なのかダルイのか几帳面なのか、それらがいい割合で混ざった感じの女性的なもたついた喋り方と雰囲気で、私はそんな魅力のある映画女優だと思っているし、好きでたまらない。
海外ドラマの『キルポイント』吹き替え版を観たが、このドラマは非常に好きだった。カリスマ性のある軍隊経験者で、帰還兵のPTSD問題と銀行強盗の取り合わせが絶妙なドラマで、この主人公が『ハプニング』の中盤付近まで主人公の親友で同僚として登場するし、親友の一人娘が生き残りとして、子供のいない主人公と妻と共に生き残る。
主人公は高校の科学の教師だか物理の教師だかで、生徒の人望が厚く、教育熱心な教師だが、妻をおろそかにしているのか、妻が浮気をしていると気づいているのか、距離を置いている感じの冷めた距離感の夫婦だが、妻を非常に愛している。それは、初デートの時に買った、エナジーリングを『ハプニング』が起こった今まで嵌め続けて離さないことから分かる。
この映画は、ミステリーとしては弱い映画で、愛をテーマとしていると言った方が早い。だが、圧巻なのは、次々に自殺をする人達の映像。あるシーンでは、ビルの屋上から人がぼとぼと個人の投身自殺として次々降って来る。
M・ナイト・シャマランの映画が私が好きな理由は、絵画的だということ。構図がしっかりした作りで、一瞬一瞬が目が離せない映画で映像的に退屈しないで済む監督。紙芝居的とでもいうのだろうか。絵画的な構図を強調した映像作家と言える。これも映画の醍醐味の一つの完成された形で、映画を観たい気持ちを満足させてくれる。