世間の嫌われ者について
House M.D.のグレゴリー・ハウス・メディカル・ドクターとLOSTのドクター・アルツは、表面的に似たタイプに一般的には思われているのかもしれない。これがドラマではなかったら、両者の区別は余計に難しいのかもしれない。前者は世間の嫌われ者だが一部には深く愛されている。後者は、完全に嫌われているし完璧に疎まれている存在だ。
その両者の修めた学問の専門性の高低を抜きにして、両者の社会的立場を入れ替えても、キャラクターに違いは認められないだろう。アルツ博士は、高校の教育者なのに、科学者気取りの輩で、世間に対して小言ばかり言っている。ハウス医師は、愚痴や嫌味や言い逃ればかり言っているが、大学病院で一番有能な医師として描かれている。
両者の立場が入れ替わったにしろ、高学歴で専門性が高い職に就いていても、アルツ博士のような世間に対して甘えた人物の存在というのは、簡単に想像できる。社会的地位が低くても、ハウス医師のように、自信と自虐とがない交ぜな態度を取る人物の存在も、想像が難しくなく身近に存在しそうなタイプだ。
そんな感じ。もっと長々書こうと思ったんだが、今日はこの辺で。
とにかく、アルツ博士は、忘れたが、ガラパゴス諸島を最初に発見した映画かドラマを見たのだが、大航海時代の始まりにおまけのように乗船していた学者を思い出させる。その学者は、地球上で未発見の動物昆虫植物がいっぱいつまった宝島を見てこの上ない至福に浸ったのかもしれないが、この時代にそれと全く同じ経験をしていると思い込み、別種の昆虫を大量に採取して一人悦に入っているくだらない気取り屋が、アルツ博士だとして描かれている。
ハウス医師も、LOSTのアルツ博士と完全に同じように見られている面もある。しかし、憎からず思っている向きも一部に存在している。ただそれは、悪く見れば、単純に人心を操るのが上手いからだ。表面的には、ハウス医師もアルツ博士も同じタイプの人格だ。ハウスの方は、人を操るのが上手いってだけで。人心を操るのが上手い社会の敵というのは、どこにでも存在する。その中にも、いろいろなタイプがいることだろう。だが、ハウスが憎まれ疎まれながらも、どこか憎めないチャーミングな人間だと描かれているのは、まあでも、どこか憎めないチャーミングな絶対悪という分類も存在するので何とも判断できないのかもしれないが、人の痛みが分かる人間だと思われているからだろう。
同情する人間は珍しい存在ではないが、本当に自分の痛みを自分のことのように理解してくれる人間というのは、貴重な存在なのだろう。人の心の痛みに敏感だから、人心を操るのが上手い人間だと、ハウスは他者に理解されている。ただ、人の痛みを敏感に利用するのが上手い人間の存在も否定できないし、前者と区別がつきにくいので、ハウスは警戒されている向きもある。人は目的を持って、他人に働きかけるものだ。その判断は、長く一個人と関わって、じっくり判断するしかない。そういった意味で、自分が主人公の長編ドラマというのは、自分にとって都合がいい。
しかし、誰もが主役になれる訳ではないから、一見似た者同士二人の、ハウス医師とアルツ博士の区別は、つきにくいままだ。